糖尿病外来とは
糖尿病は、今や国民病といっても過言ではない状況ですが、自覚症状がないために医療機関を受診しない方や治療を中断する方が大勢います。糖尿病を放っておくと、失明・腎不全・動脈硬化による脳卒中・心筋梗塞・神経障害などの合併症の可能性が高くなります。
糖尿病外来では、食事療法・運動療法・薬物療法を組み合わせ、血糖・血圧・血清脂質・体重などをコントロールし合併症の発症を予防していきます。
糖尿病外来の特徴
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1日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医による質の高い診療
糖尿病専門医による診療で、糖尿病の予防・管理・合併症の予防まで一貫して診療を行います。
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2合併症予防のために、最適な検査を実施
高血糖の持続は、動脈硬化を促進します。動脈硬化により脳梗塞や心筋梗塞などの合併症が起こりやすくなるため、CTやMRIによる検査を定期的に行い合併症を予防します。
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3スムーズな院内連携
他の科を受診する必要がある場合にも、院内連携によってスムーズなご案内が可能です。
ヘモグロビンA1c(HbA1c)の意義
ヘモグロビンA1c(HbA1c)とは血液中のヘモグロビンとブドウ糖が結合したものをいいます。
HbA1cは、糖化ヘモグロビンとも呼ばれ、アマドリ化合物の一種です。
血液検査で過去1~2か月の平均的な血糖状態の値で、糖尿病の治療状況がわかります。
基準値は4.6~6.2%で、6.5% 以上ならば糖尿病(あるいは糖尿病型)と判定されています。
血糖コントロール目標
治療目標は年齢、羅病期間、臓器障害、低血糖の危険性、サポート体制などを考慮して個別に設定する。
- 注1)適切な食事療法や運動療法だけで達成可能な場合、または薬物治療中でも低血糖などの副作用なく達成可能な目標とする。
- 注2)合併症予防の観点からHbA1cの目標値を7%未満とする。対応する血糖値としては、空腹時血糖値130mg/dl未満,食後2時間血糖値180mg/dl未満をおおよその目安とする。
- 注3)低血糖などの副作用,その他の理由で治療の強化が難しい場合の目安とする。
- 注4)いずれも成人に対しての目標値であり、また妊婦例は除くものとする。
日本糖尿病学会編・著:糖尿病治療ガイド2014-2015,P.25,文光堂,2014
糖尿病の治療について
食事療法
食事療法は血糖の上昇に直接係ってくるため、特に重要になります。糖尿病の食事療法は特別な食事があるわけではありません。『食事療法=カロリー制限』の印象があるかもしれませんが、単に摂取カロリーを制限すればよいというものではなく、必要な栄養素を過不足なく摂取することが大切です。
運動療法
患者さまに合わせた運動療法をご提案いたします。糖尿病の様々な症状を改善し、さらに動脈硬化の予防などの点でも効果があります。有酸素運動(散歩、水泳、ジョギング等)で、無理をせず適切な運動を継続する事が重要です。
薬物療法
糖尿病の状態、合併症の有無などを考慮して、経口薬や注射薬であるインスリン製剤等を用います。