対象となる症状
不正出血、おりものの異常、生理に関するお悩み(生理不順・生理痛・生理の出血量)、陰部の痒みやできもの、下腹部の痛み、更年期の症状(のぼせ・ほてり)、ピル処方など
「婦人科」の特徴
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1女性医師・女性看護師
女性スタッフによる診察・検査を実施しています。
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2CT・MRIによる精密検査も実施
内診や経膣エコーで異常が発見された場合にはCTやMRIでの精密検査を行っております。
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3女性用ドック・各種検診にも対応
『杉並区子宮頸がん検診・乳がん検診』をはじめ『婦人科ドック・乳腺ドック・ブライダルドック』などを実施しております。
代表的な婦人科の疾患
子宮がん
子宮頸部から発生する子宮頸がんと子宮体部から発生する子宮体がんがあり、それぞれ好発年齢や発生するメカニズムが異なります。どちらのがんも、治療はがんの臨床進行期(ステージ)に応じて決定され、手術療法・化学療法・放射線療法などが行われています。
●子宮頸がん
- 子宮頚部へのヒトパピローマウィルス(HPV)感染により発生し、女性生殖器がんの中では最も頻度が高いがんです。若い世代の発症率が多いのが特徴で、好発年齢は30歳から40歳代ですが、60歳代でも進行がんが見つかるなど幅広い年代で検診が必要です。定期的な検診によりがんになる前段階で発見することができれば、早期治療が可能です。
●子宮体がん
- 子宮体部の内膜に発生するがんです。好発年齢は閉経前後の40歳代後半から60歳代です。このがんの90%に不正性器出血を認めます。以前は子宮がん全体の10%程度を占めていましたが、現在では30%を占めるほど増加傾向にあります。
卵巣腫瘍(卵巣がん・卵巣のう腫)
卵巣に発生する腫瘍で、悪性のものを主に卵巣がん、良性のものを卵巣のう腫といいます。 卵巣がんの症状としては、腹痛・腹部膨満感・吐き気や食欲不振・便秘などの消化器症状・頻尿などがありますが、初期の段階では自覚症状に乏しいため、40~50%が進行がんとして発見されます。現在は、卵巣がんの集団検診は行われていないため、腹部に違和感などがある場合には、婦人科の受診をお勧めします。良性の卵巣のう腫でも、大きいものでは腹痛などの症状があるため、治療は手術療法となります。がんの臨床進行期(ステージ)に応じて化学療法が組み合わされることがあります。
子宮筋腫
子宮筋腫とは、子宮筋から発生する婦人科疾患の中でも最も頻度が高い良性の腫瘍です。
女性ホルモン(エストロゲン)の影響で大きくなる腫瘍で、好発年齢は30代~40代となります。ほとんどは子宮体部に発生し、発育する部位や大きさによって症状が異なりますが、主な症状としては、月経痛・過多月経・不正性器出血・不妊などがあります。内診と経膣超音波、MRIなどで診断し、症状の程度や年齢を考慮した治療が行われます。治療は、薬物療法と手術療法があります。
子宮内膜症
子宮内膜組織が子宮内腔以外(異所性)にできる原因不明の病気が子宮内膜症です。
病変部位は、子宮筋層内・ダグラス窩・卵巣・腹膜が多く、症状は病変の存在する部位によって異なりますが、不妊・月経痛や過多月経、慢性骨盤痛・性交痛・排便痛などがあります。卵巣にチョコレート嚢胞という卵巣のう腫を形成します。女性ホルモン(エストロゲン)の影響で増悪するので、月経を重ねるごとにそれらの症状と病変は増悪します。内診・経膣エコー・MRIなど画像検査、採血から診断されます。治療は、「年齢・症状・病変の部位・重症度・妊娠」の希望があるかなど、総合的な判断をもとに薬物療法や手術療法が選択されます。
子宮頚管ポリープ
子宮頚管ポリープとは、子宮頚管の粘膜が増殖し茎をもって子宮口からはみ出し、ポリープ状になっているものです。悪性化することなく、痛みもありませんが組織が弱く出血しやすいので、不正出血や血の混ざった帯下などの症状が出ることがあります。治療は切除するのみで、外来で行うことができます。
性感染症
性感染症とは性交渉やオーラルセックスなどによって感染する疾患で、STD(Sexually Transmitted Diseases)・STI(Sexually Transmitted Infections)とも呼ばれます。感染症には様々な種類があり、病原体も様々ですが、主な疾患としては性器クラミジア感染症・淋菌感染症(淋病)・性器ヘルペス・尖圭コンジローマ・梅毒・HIV感染症などがあります。女性は男性と比べ症状が出にくいため受診の機会が少なく、受診時には炎症が進行しており、感染を拡大させやすいという特徴があります。近年は性交渉の低年齢化や、性風俗の多様化によって若い世代の感染が広まっています。女性の感染症は不妊や子宮外妊娠、子宮頚がんなどの原因にもなるので、コンドーム装着などによる予防と早期の治療がとても大切です。ご本人を治療しても、パートナーが未治療である場合は、再感染(ピンポン感染)の恐れがあります。たとえ無症状でもパートナーの検査・治療が必須となります。
更年期障害
閉経の前後5年ずつ計10年間を更年期といいますが、この間卵巣機能の低下に伴う女性ホルモン(エストロゲン)の減少と、社会的な環境変化が女性には起こります。明らかな病気はないものの、自律神経失調症状*1や精神症状*2などの体調不良が現れ、これを更年期障害といいます。
更年期障害には個人差が大きく治療が必要な方と、そうではない方がいます。問診・血液検査でのホルモン値の測定・心理テストなどを行って診断します。治療はホルモン補充療法(HRT)を始め、漢方療法や向精神薬などの薬物療法を単独、または組み合わせて行います。
- *1 自律神経失調症状:
ホットフラッシュや冷え、動悸など - *2 精神症状:
抑うつ、不眠、イライラなど
婦人科受診の前に
●服装
内診(外陰部や膣、子宮や卵巣の触診)や経膣エコーが必要な場合は下着を脱いだ状態で診察します。脱ぎ着しやすい服装(ワンピースやスカート)でご来院いただけるとスムーズです。
●持ち物
- 保険証
- 基礎体温表(つけている方)
- お薬手帳
- 他院や他の科で検査を行っている方はその結果